おばちゃんのコミュ力が高いのはなぜか
おばちゃんという生き物はすごい。
道を歩けば長年の知り合いのように親しげに話しかけては世間話をし、駅で電車を待っていれば惜しげなく私にチョコレートを授け、ガンガン話しかけて来る。
銭湯にいけば、ふとした疑問を共有したがる。
長々話したかと思えば、何事も無かったかのようにスッといなくなる。
不思議な生き物である。
私自身は人見知りであるため、知らない人と当たり障りなく話す事が得意ではない。無難な返答を返す事は出来るので、将来的に彼女たちと同じスキルが磨かれるのかは疑問だが、全国どこへ行こうともこうしたおばちゃん種族がいることは身を持って実感しているため、そのコミュニケーション能力は一体どの段階で磨かれているのかを考えていきたいと思う。
1.おばちゃんとは何か
なにをもっておばちゃんとするのか、調べたところによると、どうやら明確な基準はなく、各々の判断基準に任され、おばちゃん認定されるようだ。
各々の判断基準によるようなので、私個人が出会ってきた「おばちゃん認定」をしたご婦人方を基準に下記に記していこうと思う。
・既婚者で子供がいる40代以降
・服や化粧に無頓着になる、若しくは派手な化粧や服装をしている
・声がでかい
・誰にでも話しかける、話が長い
・気前が良い、若しくはとんでもなくケチ
・世話を焼きたがる
・噂話が好き
ほかにも挙げたらあるのだろうが、とりあえず私が言いたいコミュ力の高いおばちゃんは上記に挙げたもの全てが当てはまるものとする。
赤字で記した項目はどちらかを満たしているものとする。
2.コミュ力はどこで培われているのか
個人的にどこでコミュ力が鍛え上げられているのか考えてみた。
◎ご近所、スーパーなどでの井戸端会議(インプット・アウトプット)
ここで身近な情報を収集し、様々な情報を共有していく。かつ共感能力が身についていくと思われる。(相槌 が上手くなる、会話のオウム返しなど)
◎日中のテレビでの情報収集(インプット)
日々ここでの情報収集を行うことにより、井戸端会議での話題不足を回避出来る。
○銭湯などでの知らない人との会話(アウトプット)
手近に知り合いがいない時に活用される。一方的に話している時はインプット内容を他者へアウトプットしていると思われる。
電話・メール、今ならLINEも立派なおばちゃんたちのコミュニケーションツールとして大活躍しているはずだ。
そして何と言ってもおばちゃんの代名詞、井戸端会議により全てが培われていると私は考えている。
話好きのおばちゃんが大筋を決めて話が進んで行くのだとは思うが、控えめなおばちゃんも相槌・共感スキルが磨かれることにより立派なおばちゃんが形成されていくのだと思う。
おばちゃんのコミュ力をなんとなくインプットアウトプットで置き換えてみたら、おばちゃんのすごさを感じた。仕事と要領はまったく同じなのである。流石、井戸端「会議」というだけのことはある。
この特性をうまいこと活用出来たら、プレゼンなんかをさせてみたら凄いことになりそうである。(但し、おばちゃんとは文句なんかもはっきり言える人種なので言うこ聞かせるのは至難の業である)
3.なぜここまでコミュ力が磨かれていくのか
考えてみたが、おばちゃんの世界ほど弱肉強食な世界は無いのではないだろうか。
コミュ力を無理矢理にでも上げて行かないと、生きていけない世界。
気を抜けば噂話のネタにされ、会話スキル・共感スキルも無ければ仲間はずれに陰湿なイジメもありそうだ。
女同士の戦いは怖いものだ。
現代よりも女性の社会進出が一般的ではなかった時代、結婚を機に専業主婦・正社員からパートへと移ることが大多数を占めていた時代には、現代よりも近所とのネットワークは強く、狭い社会の中で生き抜いていくためには必要不可欠のスキルであったのではないかと私は考えている。
しかし、これがすべてではないということは私自身も分かっているつもりなので、ここにあげたことは一つの考えとして受け止めて頂きたいと思う。