日頃の素朴な疑問をまとめてみた

急に思い立った疑問を調べた結果をまとめ、自分なりに考察してみます

流行はどうやって決まるのか

私は流行に疎い。

テレビやネット・雑誌とあらゆるメディアに目を光らせ続けていないと、あっという間に流行に取り残されてしまう世の中。私は自分に興味のあるものしか見聞きしないため(誰しもそうであると思うが)いつの間にか仕入れた流行が終わっていることがある。

ファッションに関しては全く持ってよく分からない。

そりゃあ私だってそれなりにオシャレになりたい。興味が無いわけではない。しかし、微々たる差が私にはついていけないのだ。

 

終わっているかと思えば、今年は柄の大きさが違うだの、去年よりもこの色が~であるとか、これは今年もまだトレンドだから着回せるであるとか、正直ついていけない。

かと思えば、少し前まで古臭いと嫌煙していたものを流行りだと言って追い求める。

「流行は繰り返す」なんてよく聞くが、単に万策尽きただけなのではないかと疑いたくなる。

人間は、特に日本人は流行に翻弄され過ぎであると思う。

右に倣えで、皆同じでないと安心できないのだ。

 

今回は、そんな私達を振りまわす流行について調べることにした。

 

1.流行とは何か

ある社会のある時点で、特定の思考、表現形式、製品などがその社会に浸透・普及していく過程にある状態を表すこと。

語源は、「物事が河の流れる様のごとく世間に流布する」意味を表す漢語

 

急激に普及し、あっという間に消えてしまう流行をファッドと呼び、長期にわたり流行し、その社会に定着する流行をファッションと呼ぶ。

ファッドとは、一過性のヒット商品のこと

ファッションとは、ある時点において広く行われているスタイルや風習のこと。なかでも特に、人々の間で流行している服装を指す

服装の流行は、まず原型としてモードが創成あるいは発現し、これが採用されそして追随されるとファッションとして流動。さらにこれが一時に特定の人たちの間で強められるとファッドとなる。そして、これらが熱狂的な様子で流動するとクレイズとなる。一方これがある意識上の支持で広範囲な雰囲気として持続されるとブームになる。

 

鈴木裕久の流行採用の動機に関する従来理論

①自己の価値を高く見せようという動機

自己顕示欲・承認欲求・優越感・満足感

②集団や社会に適応しようという動機

他者との模倣・同調による安心感、適切な行動の証明

③新奇なものを求める動機

刺激を求めようとする欲求・陶酔状態

④個性化と自己実現の動機

他者との差別化・意志表示の手段

⑤自己防衛の動機

様々な社会の束縛による争いを解消し、自我を保護する

 

流行には一種の抗しがたいある種の社会的強制力のような性格があり、流行に関心を持っている人たちを巻き込む。現代社会では、心理的に動揺している中間層の人たちが流行に巻き込まれやすい傾向が見られ、このことは、より下層に落ちるという不安から、流行という威信を身につけているという意識によって社会的な孤独感から救われることによる。しかし流行は、特定の人たちから集団全体に普遍化してしまうと、その特色や威信がなくなり流行は一定期間で流動が停止する。

 

2.日本における流行色の選定と汎用

流行色の決定から商品が市場に出るまでの流れは以下のようになる。

①その年の流行色はインターカラー(国際流行色委員会)が選定している

1963年に発足した、唯一の国際間で流行色を選定する機関で、加盟国(15カ国)が提案色を持ち寄り、実シーズンに先駆ける約2年前の6月に春夏カラー、12月に秋冬カラーを選定している。日本は発起国として設立に携わり、創立当初よりJAFCAが日本を代表して参加している。日本国内では、インターカラー日本委員会がJAFCA内に組織され、日本提案色の選定、インターカラー決定色および各国提案色の共有が行われている。

 

②JAFCAが独自に実施する国内生活者の志向やマーケットの動向調査と、国際流行色委員会で決定した情報をもとに、各分野の動向に精通したカラースペシャリストで構成される専門員会によって年2回、日本の産業に向けた最先端のカラートレンド「JAFCAファッションカラー」をレディスウェア、メンズウェア、プロダクツ&インテリア、メイクアップといった分野別に選定する。

 

③JAFCA会員に情報を発信し、各会員(企業)が商品企画・商品化を行う。

④流行色を取り入れた製品が市場に流れ、消費者の手に渡る。

 

3.衣服における流行

流行の服が作られる流れは以下のとおりである。

①服の流行色は、インターカラーが選定した色を、各ブランドが取り入れることで決まる。

②パリコレのようなコレクションで、世界のトップデザイナーが作った服を発表する。

③その後、その服に影響を受けた他のブランドの人たちが、デザインやテイストを真似た服を作る。

④低価格な服を作るメーカーが、デザインを真似つつ、どんな体型の人でも着やすいよう落とし込んだ服を作り、市場に多く出回る→流行と呼ばれる状況になる。

 

③④のあたりでその傾向を雑誌などがこぞって「流行」として取り上げることで、実際に流行るという流れである。

 

4.パリ・コレクションについて

年2回、フランスのパリで開かれる服飾銘柄店の新作発表会のこと。

「パリ・プレタポルテ・コレクション」は3月に秋冬コレクション、10月に春夏コレクションが2週間前後の日程で開催発表される。また「パリ・オートクチュール・コレクション」は1月に春夏コレクション、7月に秋冬コレクション、男性服コレクションも同じく2月と7月に開催される。これらを総称して「パリコレ」という。

 

数多くの意匠家が独創性を重視した新しい作品を発表し、世界各国の報道関係者、ライター、フォトグラファーなどのメディア関係者や、バイヤー、スタイリストなどのアパレル業界関係者、その他芸能人、時に政治家などが開催時に招待客として前列に並ぶ。

 

5.パリコレで奇抜な服が多いのはなぜか?

昨今では奇抜すぎる服が取り上げられ話題となることが多いパリコレ。

これはなぜなのかネット内での意見を箇条書きで集めた。

 

・ショーなので目立たないといけないから。普段着るような服ではアピールする力が弱い。

・単に服を見せる場所というよりは、服を通してそのブランドのイメージをみんなに訴える場であるという意味合いが強い

・少々奇抜なものが登場しなければ、ファッションもマンネリになってしまうから

・コレクションでは「目新しい物」を提案することが前提であり、普段着られるような服を提案すると逆に「リアルクローズ過ぎる」などと言って批判対象になったりする

・素人目には普通に見えても、素材や成型などテクニックとして新しい物を提案している場合もある

・コレクションでモデルが着ている奇抜系の服は、その期のブランドコンセプトで、それ自体が店頭に並ぶ訳ではなくそれをイメージした商品が店頭にならぶ

・強烈な作品の方が印象に残り、そのシーズンのトレンドを象徴するものとして紹介しやすい

 

 6.流行は繰り返すのはなぜか

長年の疑問について調べてみた。

①アイテム数には限りがあるため、「素材」や「ライン」、「他のアイテムとの組み合わせ」や「カラー」など、手を変え品を変え、20年おきの周期で大きな流行がやってくる

②人の心には飽きるという感覚があるため。この飽きるという思考は、7年で訪れると言われ、人間の脳は、多様性を求めるため、新しく入ってきた刺激に慣れるようになっているから

③今まで関心の無かったものが新鮮に見えるが、しり込みをする

→あちこちで見かけ、目が慣れて来る

→価格が落ち、長所が目立ってくる

→思い切って買う(買わない事もある)

→店内や町に商品が溢れる

→商品の魅力が落ちてくるが抵抗感もなくなる。

季節に合っている ・恋人にほめられた ・自分の欠点を隠してくれる ・買いやすい価格になったなどプラスアルファーがあれば買う

→魅力を失う。以前は魅力を感じていたという記憶も薄れる。欠点が気になる。着るのをやめる

→一定期間無関心が続いた後に最初に戻る

7.感想

冒頭で私はこのように述べた。

人間は、特に日本人は流行に翻弄され過ぎであると思う。

右に倣えで、皆同じでないと安心できないのだ。

そして、答えは早々に出た。

心理的に動揺している中間層の人たちが流行に巻き込まれやすい傾向が見られ、このことは、より下層に落ちるという不安から、流行という威信を身につけているという意識によって社会的な孤独感から救われることによる。

そうだ、これこそが右に倣えでいないと安心できない理由なのだと知り、すっきりした。

 

パリコレについての謎は、赤字で示した部分が真意なのではないかと私は思っている。

マリモのような衣装も、全身ぐるぐる巻きにされた衣装も、一種のイメージキャラクターと言ったところなのではないかと思う。

例えば、ゆるきゃらふなっしーをコンセプトにしたファッションブランドを出すとしたら、ショーには真っ先にふなっしーが登場するであろう。

コンセプトを具現化したものにすぎないため服にふなっしーの絵がプリントされている、というのではなく、色使いやシルエットなんかをやんわり取り入れたものになるのではないか?と私は考えている。

 

流行が繰り返す問題に関してもそうそうにアイテム数の限界という答えが出て、あながち冒頭で述べたことも間違いではないが、私自身に関して言えば②と③の考えが近いのではないかと感じた。

しかし、自身に関して言えば

①流行のファッションも目が慣れておらず、いまいちに感じる

②街中にファッションが溢れ、目が慣れて来る

③価格が落ち、着方なども理解してきたところで購入する

④その頃には周囲の流行が移り変わりつつあり、きている人が減る

⑤誰も着ていない不安感から着なくなる

⑥①にもどる

こんな感じであるため、私は新しい物に慣れるという能力が周囲よりも鈍感であることが解明されたのであった。

 

ファッション業界では実用品に対するデザインであるため著作権は保護されにくい環境であり、業界特有の模倣の連鎖が、流行を作るひとつの要因なのかもしれない。